オオカミ少女
リクが卒業間近の2月。リクは、私に話があると言って家に呼び出した。


 『リク―。』


『よお。来たか。』

『何―?改まっちゃって呼んじゃってさ。』


笑いながらリクに問いかけた。


『ナツ…。あのさ…。』


…リクどうしたんだろう。


『ナツは、どの高校行くんだっけ?』


『リクと同じ地元の高校行くって約束してたじゃん!何言ってんの―?!』


それから少し沈黙が続いて、リクが口を開いた。


『ナツ。ごめん。俺地元の高校行かないんだ。』


『え…。は?』


泣きそうになった。リクとは、今までずっと一緒だった。なのに…何で…?


『な…なんで?』


『ナツ。俺…。』


『…リク。もう、いいよ。…話ってこれだけ?』


『ナツ。ちゃんと聞いて?』


『帰るね。』


ガチャ…。…何それ…?何それ何それ!!リク意味が分かんないよ。


『ナツ!待って!』

腕を掴むリク。


『なんなの!離して!』


『話を聞いて?』


『…リク意味分かんないよ?約束してたじゃん。私馬鹿だけどさ、リクと同じ高校行く為にどんだけ頑張って勉強してると…。』


悔しくて裏切られた気持ちが涙に代わって溢れるのを必死に堪えた。


 リクは悲しそうに下を向き、私の腕を離す。


『はは…リク…。ばいばい。』
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