二人だけの秘密
人生最悪の誕生日。
6月5日―――。


忘れもしない、というか忘れたくても忘れられない私の17回目の誕生日。


ひっそりと自分だけで祝うつもりだった。


2年前から祝ってくれる人なんて誰一人いない。


だから、アイツが現れてその上、誕生日を祝われるなんて夢にも思っていなかった。


それは比喩でもなんでもなくて、本当に考えたこともなかったんだ。











座敷わらし―――もとい、守護神に出会うなんて。







座敷わらしと聞いたら、人はどんなことを想像するだろうか。


大抵の人は妖怪図鑑やオカルト本に載っているおかっぱの幼女を思い浮かべるだろう。


だけど、私が出会ったのはアイドル顔負けの整った顔をした男だった。


アイツは座敷わらしじゃなくて『守護神』と呼べというけれど、畳の真ん中でちょこんと座っているアレを座敷わらしと言わないで何という。



とにかく、なぜアイツが私のうちに居候することになったのか、これから紐解いていこうと思う。
























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