チョコ色の放課後
直の親友の中田ゆかりに廊下ですれ違った。
「矢沢に放課後、教官室来るように言ってくれない?」
今日だけは特別。
卒業まで会わないと約束した俺と直は、もうずいぶん2人で会ってはいなかった。
とは言え、教師と生徒である俺達は、教室で毎日会える。
近いのに、とても遠い。
すぐそばにいるのに、触れることができない。
それでも、俺は心が満たされていた。
もう、俺と直は離れない。
去年のバレンタインのあの気持ちを2人とも、一生忘れないから。
もう、俺達は離れちゃいけないんだって・・・
わかったから。