この手の先は…
長い校長の話が終わり、入学式が終わった。

教室に戻ると、

「優衣、大丈夫か?」
「翔太…大丈夫だよ?」

本当を言うとあまり大丈夫じゃない。
精神的に不安定になっている。
でも、弱っているところは見せられない。

「翔太、今日はもう帰ろ?」
「うん…優衣がそうしたいなら帰ろっか。」
「翔太、ありがとうね…」

翔太は、いつも何も言わずそばにいてくれる。
そんな翔太だからこそ女の子からモテる。

「優衣、ずっと言わないつもりだったけど、言うな?」
「なに?」
「俺は、お前が恵太のことが好きだったのは知っていた。だから、恵太もお前がすきだった。たった5歳だったけど、ちゃんとした感情をもっていた。あれから10年たってふっ切れていたと思っていた。けど、あいつが現れて心が揺らいでるのがわかる…苦しそうな顔をしてた…そんな顔はみたくない。俺は、絶体悲しませたりしない…俺じゃ、ダメか?」

翔太の気持ちは知っていた…
そのことはあまりびっくりしなかったけど、苦しそうな顔してたかな?
表情はかえてなかったに…
翔太は、すごいな。
あたしのことをいつもみてくれて…
一番に気づいてくれる…

「翔太…ありがとう。嬉しいよ…あたし、けーちゃんのこと好き。だけど、けーちゃんはもういない。似てる人はいるけど、けーちゃんではない。翔太は、あたしを悲しませたりしないんだよね?あたし、そんな翔太の優しいところすきだよ。」

これで、いいんだよね…
あたしは間違ってないないよね…

「ほんとにいいのか?俺なんかで…」
「何言ってるの?翔太がいいんだよ。」
「そっか…嬉しすぎて涙でそうだ…」

翔太って本当かわいいな…

「優衣、優衣!」
「ん?なに?」

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