管理人C
14:30

歓迎会は、何気に楽しい。管理人Aとも、うまい酒を飲めそうだ。


「そういえば、前の管理人はどうしてやめたのですか?」
「なぜそんなことを聞く?」


管理人Aは首を傾げる。


「いえ、ちょっと興味があるじゃないですか。
自分と同じ名前で呼ばれていた人がどんな人なのかって」


「……いい奴だったよ」


Aが苦笑するのを見て、私は聞いては行けない部分に触れたことを
してしまったことに気付いて、後悔した。


「……すみません」
「まあ、楽しくいこうや」

Aは、胸の内ポケットから手帳を取り出し、
そのなかに挟んである写真を私にみせた。

「この人ですか?」
「……ああ」

写真の人物は女性である。

「大切な方、だったのですね」

Aはうなずき、悲しげな目で写真の女性を見つめた。
Aはそれから、思い返すように手記を開くのだった――


「C、はやくどんぐり配りにいってこい」
「え、ええ。そうですね」


私は、先輩を一人にするべきだと考えて、Dとともに席をはずした。
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