さくらの恋人

2-4


「やっぱりピアノの時のサクはかっこいいよっ‼」


ん?返してほしい返信じゃない時の顔をしてしまった大輔。半ば諦め気味に「そうじゃなくて…」そう返すのが精一杯だった。


「いや、お世辞じゃなくて~ピアノの時以外はちょっと物足りないんだけどさっ。あたしさ、サクみたいにピアノうまくなりたいんだ‼」勝手に自己分析された大輔だったが「じゃあもっともっと練習ですね」と練習を促したが、千歳はこう続けた。


「あたしさ、音大に行ってピアノを勉強してうまくなって、学校の先生になりたいんだ。ピアノってすごいよね?あたしにピアノを勧めてくれた先生が、あたしの志望校のOGでさ。あたしもピアノの音色で人を変えられるような演奏をしたいと思ってさっ。あの頃のあたしは最悪だったからさ…」初めて聞いた千歳の夢と過去だった。

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