脳内妄想
「ねーっ、どうしたの?」


私の友達という人が
私の顔の前で
手の平をピラピラと動かしている。



「……別に」



随分
長い間ぼんやりしていたらしい。


教室を見渡せば

鬼ごっこをしてる人

大声で騒いでいる人

そして

自慢の巻き髪を
指に巻き付けながら
携帯で電話しているA美と
その取り巻き達が

い つ も と

変 わ ら な い 様 子 で

そ こ に い た 。



Y子は
小さく溜め息を吐くと
再び脳内妄想の世界へと
入っていった。



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