+ love song +
第一章

再会と出逢い①




ブロロロロ―…


車の窓越しから見える景色。


懐かしい景色や、真新しい建物。


三年ぶりの景色に
私達はこの町へ戻って来たのだと実感する。



「久しぶりだな。この景色」


懐かしむように車の窓から見える景色を見つめる弟の大翔。



「そうだね。
この景色を見るのは何年ぶりだっけかな?」



車を運転していた父さんがこちらに視線を向け、
私達にそう質問を投げ掛けてきた。


「三年くらいだよっ

っつか父さん前向いて。
危ないから;;」


そういうと父さんは
“おぉ~そうだった!”と優しく微笑み、目線を前に戻す。



「あぁ~あ
戻って来たのは嬉しいけど
またアイツと会わないと何だろ」

と言い少し膨れる大翔。


『まぁね。
それに私達あの人が造った高校行くんだし。』


「あぁ~あ~
なんか憂鬱。
何で家でも学校でもアイツに会わないといけないんだよぉ」


と落ち込む仕草をする大翔に苦笑し、背中をポンポンと叩く。



.

< 1 / 24 >

この作品をシェア

pagetop