記憶の中で…


「借り物競争ん時。あんな風に発表されるなんて思ってなかった。」

思い出して一気に赤くなった。

「う…ううん。平気。大切な人…て思ってくれてるんだって…嬉しかった。」

「ユキは?俺の事どう思ってる?」

「ん?大切だよ。」

「何か…随分あっさり言うんだな。」

「…あのね、今の気持ちちゃんと伝えなきゃって思うんだ。もしかしたら、明日は居なくなっちゃうかもしれないと思うと…。」

「まだ夏樹の事が引っ掛かってる?」

「…引っ掛かってないと言うと嘘になる。」

「そ…か。」

「でも、私が今大切に思えるのはナツキだよ。私はナツキといるこの時を大切にしたい。」

「……。あの…さ。」

「?」




< 38 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop