記憶の中で…
「俺は、父さんと母さんのためにも早く思い出したい。
母さんが入院する程抱え込んでるストレスって、俺の事なんじゃないかと思えるんだ。
それに二人とも昔から俺に接する時、妙によそよそしくてずっと不思議に思ってた。
それは実の子じゃないからなんじゃないか?」
本当に…そうなんだろうか…。私には分からないよ。でもね、よそよそしいなんて、それは違うように思える。だっておじさんはあんなに優しい瞳で、愛おしそうにナツキを見るんだもん。
ナツキは言い出したら聞かない。たぶん引き止める事は無理。だったら私が一緒にいないと。
「分かったよ。一緒に行く。でも無理はしない、て約束して。」
ナツキはホッとした表情を浮かべるとコクンと頷いた。