ζτογу-1nd-

優しい手






特に欲しい物も無く
無理に
お金が必要だった訳でも無い。









でも…





止められなかった―――…










きっと誰かに



必要とされたかっただけなのか…










オヤジと解っていても
エッチをして居る時…



その相手は少なくとも





《陽菜の事を
必要として居るんだ》





そぅ…



思って居たから…………










美姫は
心配してくれていたけど…

自分も辛い気持ちを持ち
人の事を思っている余裕なんて
無かったんだと思う。















――――…皆





それぞれ心に傷を持ち



行き場の無い思いを





一瞬でも忘れられる…





そんな場所を探してる―――…










逃げてばかりいても…



お互いの傷を
舐め合っていても…





仕方のない事ぐらい
解っているんだ。










自分自身で
どうにかしなければ





その【今】から



抜け出せない事ぐらい―――…









ただ…今だけ………





今だけは…





1人にしないで―――…





そんな必死な思いで



夜の世界を


―――…離れられないで居た。



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