天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
と…。

「あ、そうだ」

釣りをしていた葉也が、突然思い出したように顔を上げた。

「きょうこ、陽」

二人の名を呼ぶ葉也。

その表情は真剣そのものだ。

「大切な事を言い忘れていた。お前達二人には、この旅行の間に必ず伝えなければならないと思っていたんだ」

「え…?」

「な、何だよ一体…」

そこまでの決意をして話す事とは一体…?

陽ときょうこの間に緊張が走る。

「実は…」

葉也の重い口が開いた。

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