こころ。
最初の哀しみ
「いやだよ!!」
あやなは泣き叫んでいた。
「ごめんね…ごめんね…」
涙をこらえていた母の目から、大粒の涙がこぼれおちた。
私は堪えられなくて、家を出た。
行き先なんかない。
でも、家にはいられなかった。
ふらふらさまよって、最後には家に戻る。
何にも出来ない自分が嫌で…
その時の私はまだ10歳。
なにもかもが子供だったんだね