御曹司の溺愛エスコート

「桜、気に入った家具を選ぶといい」


家具の美しさに目を輝かせた桜だが蒼真が任せようとすると首を横に振った。


「いいの……蒼真兄さまが選んで」


蒼真の好みが自分の好みと合わないことは知っている。


蒼真の好みはモノトーンのシンプルが好きで、明るい色は好まない。


桜の好みは女の子らしい色。
それに自分が選んだら統一感もなく、バラバラな雰囲気の部屋になってしまいそうだった。


「桜がこれから住むんだ。気に入った物を選ぶといい」


またもや首を振る桜。


２人の会話に真琴は口を挟まなかった。


「では一緒に選ぼう」


その妥協案に桜はにっこり笑った。


その笑みに２人を見ていた真琴はホッとした。
この２人の間にピリピリした雰囲気を感じていたからだ。