御曹司の溺愛エスコート
眠っている間に桜が選んだピンク色のドレッサーが寝室に置かれていた。


鏡の前に座わり、髪にドライヤーをあてると蒼真が入ってきた。
そのまま真っ直ぐ桜の元へ近づき、ドライヤーを取り上げ代わりに髪を乾かし始めた。


ドライヤーをかけられている間、桜は目を合わさない。


まいったな……完全に桜を怒らせてしまったらしい。


「髪が乾いたら夕食を食べるんだ。真琴が作ってくれた」


その言葉にも黙っている。


ドライヤーのスイッチを切った蒼真はライトブラウン色に指を差し入れた。
サラッと髪が指をすり抜けて行く。


「さあ」


桜を立ち上がらせると隣の部屋へ促した。


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