御曹司の溺愛エスコート

真琴がレポート用紙にスケジュールを書き出し桜に渡す。


「ありがとうございます」


その笑顔を見て真琴は桜の明るさが少し戻ったかもと思った。


ふたりが行ってしまうと、桜は急いで掃除と洗濯をした。
マンションの玄関を出たのは約束の時間の５分前だった。
エレベーターに乗り、一階へ降りる。


「おはようございます」


美容室のドアを開けて挨拶をすると敦がニコニコして近づいてきた。



「桜ちゃん、おはよ～。今日も可愛いね」


桜は白のブラウスと黒いスカートを身に付けていた。
靴は動きやすいローヒール。
メイドのような印象も受ける。


「桜ちゃん、おはよう」


オーナーの和樹が近づいてきた。
手に黒いエプロンを持っている。


「おはようございます」

「服汚れちゃうからこれを着けて」


黒いエプロンを渡された。


「その服、高いでしょ？」

「え……」


もちろん蒼真が買うものだから高いと思うが、何も気にせず着てしまった桜は恥ずかしくなった。


「ありがとうございます」