あの窓の向こう側

恋心と嫉妬

ふっと私が目を開けるとそこにはいつもの病室の天井があった

『…あ、れ…??わた、し…』

「梨乃!!大丈夫か!?」

そこには爽汰君が居た

とても心配そうな顔で私を見つめている

私の片手には微かに温もりが残っている

これは…波流君の温もりなの…??

『波流君…は…』

「ああ、あいつには一応連絡したんだけど…

今仕事中で忙しいみたいで…

電話しても繋がらなかったんだ…」

『そっ…か…』

じゃあ、この温もりは…爽汰…君…??

『ありがとう…爽汰君…助けてくれて…』

「あっ…うん。梨乃…大丈夫か…??」

『大丈夫…ちょっとビックリした…だけ…』

嘘だ…大丈夫と言いつつ…布団の中の私の体は

少し震えていた…