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***

風が吹いた。
俺はネクタイをゆるめる。
冷たい缶コーヒーが喉を駆け下りて、その爽快感に思わず目を細めた。


(おぉ……飛行機雲)


あれからいつも思う。
あの飛行機に彼が乗っているのかもしれないと。
またどこかの誰かに土下座して居候させてくれと頼んでいるのかもしれないなぁと思うと、笑いがこみ上げた。


ビルが見える。

空は狭い。


空き缶をゴミ箱に投げ入れると、ふと視界の端の光景に意識が行く。
ペンキのはげかけたベンチに、煙草をふかしながら座っている、大学生ぐらいの子。
あの子は、何をその目に見るんだろう。そして何を見つけるために走るんだろう。



目を閉じる。

風と共に未来を感じればいい。

胸の中の衝動を、俺は探し続けるんだ。



――――お前も、どこかで、同じ風を見つけるだろう―――?






END
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