(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
…だから私を見て。



「私には…お兄ちゃんが必要なの…」



「俺は――っ!;;」



私はお兄ちゃんの口を閉ざした。

もちろん、私の唇で。



「…ん…んぅ…」



キスなんて、何度もして来た。

…落として見せる。



「―――満足か」



なのに、通じない。

何も感じてくれてない。

男なんて、みんな一緒だと思ってたのに。



「俺は――お前を見損なった」



私を振り払い、屋上を出て行くお兄ちゃんは、笑いもしなかった。

私を見てもくれなかった。

…どうして…?

どうしても憂紀が良いの?

だったら、奪うわよ。
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