(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
いつも息子の帰宅を起きて待ってるなんて、良いお母さんだ。

うちの母親じゃ、あり得ない。



「憂紀、今日どうやった?」



「うん…普通かな」



憂紀が俺をチラッと見て答えた。

ますます気になる俺は、「何か隠してるよな?」と、確信に迫った。

愛斗も俺に憂紀を薦めといて、言わないとかセコいだろ。



「…妊娠してるの。7ヵ月」



「は……?」



憂紀って彼氏いたっけ。

そんな話、聞いた事ないけど。



「相手は?」



「それは俺も知らんねん」



―――どうして気付けなかったのか。

自分の落ち度に、何も気付かなかった。




< 6 / 108 >

この作品をシェア

pagetop