色に香りに摩訶不思議



「え? え? えぇ~? ハサマ君、女装とか似合うかもみたいな!?」

「鴇田さん、訳ワカンナイこと言ってないでさ……とっととボクの制服のズボン返してよ」

「うふふ……ホントだわ。ハサマ君って華奢だから、とても女装が似合っているかも」

「上條生徒会長まで訳ワカンナイこと言わないでくださいよ」

 ――生まれて初めてしちゃった……っていうか、無理矢理させられちゃった、シコタマのこと、スコブルこっ恥ずかしい女装……

 まかり間違っても、誰にも見せられない姿にされてしまったボクは、放送室の片隅でコソコソと縮こまるように体育座りをし始めるしかなかった。

 ――誰も放送室に来ませんように……っていうか、お願いだから、誰も放送室に来ないでぇ~!!


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