君のしもべ
まだ少し肌寒いような
暖かいような。
そんな風の中
携帯の時計を見た私は
少し小走りで
学校に向かっていた。
「よかった、家から近い高校で。」
少しすると
すぐに桜の木に囲まれた
大きな学校が見えてきた。
あれが私の高校。
・・私は今日からここの
高校の生徒になるんだ。
形がしっかり整った制服。
ピカピカのローファーと鞄
実は全部、兄が買ってくれた。
この優しさを絶対に
無駄にすることはできない。
「何があっても3年間。
絶対卒業してやる。」
それがまず私が兄の為に
できることだと思った。