さよなら、ブラック




「ありがとう……」




そう言って、歩は目を閉じた。




目を閉じている無防備な歩の顔を見て、わたしは不思議な感覚になった。




キスがしたい。




自分のその気持ちに戸惑った。




あれだけ、自分が避けてきたのに。




愛しいと思うと、キスをしたくなるのかな。



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