嘘つきな恋
――あたしね?
涼太が好きだから…、ちょっとでも涼太に近づきたいの……。
素直に、純粋に笑えるような…。
そんな世界の人に近づきたいの……。
好きだから――。
なんて、
最近おかしいことに乙女みたいな考えを……。
やだわ、本当やだー…。
最悪すぎる…。
「……という風に、空ちゃんは百面相をしまーす。」
「「へぇ――――っ!!」」
「……ひゃっ!!」
そんな知紗の言葉で現実世界に戻ると、目の前にはたくさんの顔があった。