黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ







「そのことで、話があるんだ」


「……なんだ」






真剣な面もちで俺を見てくる紳介。

そのこと、って月夜のことか?






「優鬼をなぜ幹部にした」


「……は?
幹部にするもしないも俺が決めることだろう。
俺のチームのことだ」


「そういう意味じゃねえよ。
優鬼を引き入れたとき、なぜ下っ端ではなくすぐに幹部にしたかってことだ」


「……………、」


「普通は下っ端からじゃないのか?」






確かに、…そうだ。


紳介の言うとおり、普通なら下っ端からだろう。

入ってすぐに幹部だなんて、普通なら考えない。



月夜の話になると、この部屋にいる奴はみんなして耳を傾けた。






「それに噂では謎だらけなんだろう?
なぜそんな奴を幹部にしたのか、聞きたい」








< 166 / 242 >

この作品をシェア

pagetop