黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ






咲希斗side




勤のことを悪くいわれるのは許せなかった。


それが親友であるつっくんであっても同じことで。



なんでつっくんは勤のこと悪くいうの?

勤はそんなことしてないのに。



そしたらカッとなって、

〝信じられるわけないでしょ!?〟

だなんて、思ってもないことを言ってしまった。


でも、つっくんの言ったことは本当のことで、

勤自身が認めた。



お母さんのためにやってしまったという。

それは仕方ないと思うし、僕だったとしてもそうしていたと思う。




後悔の念がどっと押し寄せて、つっくんに謝ったけど……。


つっくんの目は、見たこともないくらい冷たかった。



僕たちが信じてくれなくても困ることはない、言い訳はいらない、…って。





―――僕は、なんてことを言ってしまったんだろう。


仲間に対して、親友に対して、そんな酷いことを…………。








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