勇者な二匹








「ぷっはー!まじ生き返った!」


目の前で、たった今僕が作ったばかりの料理を見事に平らげた彼は、満面の笑みを浮かべている。


「…なんであんなとこで行き倒れてたんですか?」


素朴な疑問を口に出せば、


「え、腹減ったから!」


ニカッ、という効果音が付きそうなぐらいの笑顔で、

素朴な答えを返された。


「っていうか俺、初めて廊下で飯食わされた!」


リオン先輩は僕の作った料理を食べた。in 廊下


「………」


「そういえば君は、エレベーターなんか待って、どっか行くつもりだったの?」


門限過ぎてるのに、と付け足しの言葉を添えて逆に質問された。


「ぼ、僕は…、」









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