【完】しゃっくり
「…リカか」


 目の前で独り言を言う先輩。

 なぜ私が、その先輩と2人きりかというと。

 先輩は生徒指導に、私は係になっている教科の担任に捕まり、この部屋で待たされているという訳だ。


「……だり」


 パタンと携帯を閉じる先輩。

 …女の先輩からのメール。そんなこと気づいてる。


 先輩の周りに居る女の人は、いつも綺麗で派手目な人ばかり。

 私のことなんて見れるはずがない。


「―――そういえば」


 そんなことを考えていると、突然先輩が私の方に振り返る。


「お前まだ1回も俺にメールしてないよな?」


 …そう。

 入部のときに部活の先輩たち全員とアドレスを交換したから、アドレス自体は知っている。

 だけど、何を打てばいいかも分からず、結局先輩とはメールしないままだった。


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