そして、今日もキミを想う。【完】

――――

「どう? 似合う?」

大きな笑みを浮かべて振り返った寿々歌が着ているのは――純白のドレス。

「あ、うん。似合ってる」
「もしかして大悟、緊張してる?」

本当に寿々歌は痛いところを付いてくる。
でも、そうやって悪戯っぽく笑う姿もたまらないほど愛しくて。

「ここに辿り着くまで、色々あったよねー……」

そう言いながら鏡を見つめる顔は、過去を思い出して楽しんでいるように見えた。

「再会した時は俺のことなんて忘れてたくせに」
「しょうがないでしょ! もう忘れたりしないんだから」

彼女の無邪気な笑顔は、いつになっても変わらない。

「じゃあ、後でね」

お互いに手を振って別れた。

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