片腕の彼に恋しちゃいました。
『…んんッ…ん。』



「峻稀。」



久しぶりに見た。



峻稀がうなされてる所。



『杏李……行くな。…杏李。』



「いるよ。ここにいる。」



私がそう言うと、



峻稀は目を覚ました。



『杏李。』



「大丈夫?汗かいてる。」



『あぁ。夢見てた。』



「峻稀、付き合い始めた頃からうなされてた。
…どんな夢見てるの?」



『前までは、昔の夢見てた。』



「昔の?」



『左腕、なくした時のことが、
毎晩夢に出てきてた。
でも、杏李と付き合い始めてから
杏李が俺の前からいなくなる夢ばっか見てるんだ。
嫌な夢しか見ねーんだ。
最近、見なくなってきたんだけどな。』



峻稀、毎晩そんな辛い思いしてたんだ。



「どこにも行かない。
一生峻稀の隣にいるから。
峻稀。私のこと…愛してる?」



『なんだよ。
愛してるに決まってんじゃん。』



峻稀は自分の方へと



私を引き寄せた。
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