眠り姫~sleeping ready~
ニコリと笑うシーラ

紅茶を飲んでいたヴァイオレットは吹き出しそうになった


「えっ!?」

「私は陛下をおすすめします!だって…」


「ま、まって!」


慌てて止めるヴァイオレット


「初恋は初恋です!ヴァイオレット様…陛下に恋するのもアリですわ!」


「シーラさん…」


ヴァイオレットは紅茶に映る自分を見ていた

過去…
振り替えればもう昔


けれど忘れたくても忘れられない存在

ヴァイオレットにはその存在を無くす勇気はまだなかった


現実が痛すぎて…ユウリの面影が有りすぎるレイをヴァイオレットはまだ受けいられなかった


「私にはまだ無理かもしれません…」


「ヴァイオレット様?」


ただ、ただ
紅茶に映る今を見ていた
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