白衣の天使
「ミリアムはこの子なの?」

ジェフはカトレアの手から、そのペンダントを取りマジマジと眺めている。

「懐かしいなぁ。」

それは口から自然とこぼれたかの様な口調であった。

そしてペンダントから目を離し、カトレアをジッと見つめはじめたのである。

「やはりミリアムの言った通りだ。あなたには過去を知る権利があるようです。」

そして目線を遠くにやるように、窓の外を眺め、淡々と話し始めたのであった。



「孤児院を出てから、僕達3人は偶然に出会いました・・・。僕とジェフとアンナは・・・。」

「アンナ・・・??」

てっきりミリアムの名前が出ると思っていたカトレアは、アンナという初めて聞く名前に戸惑いを隠せず、ジェフの話に割り込んだ。

けれどジェフはそんなのは、おかまいなしに話を続ける・・・。

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