致死量カカオ

その言葉で括られる関係に戻ったはずなのに、自分で口にすると悲しい気持ちになるなんてなんて自分勝手なんだろう。


「昨日から元気ないのは高城、だっけ?あの彼氏のせい?」

「……わかんない」

「らしくねえなあーお前は昔っから突っ走る方だったのに、早く仲直りして元気出せよ。

昭平も心配してたぞ?」


やっぱり心配しているだろうなあと思いながら隣に並んで教室に向かった。



いっそ嫌いになれたら良いのに。

それともなんでもどうでもいいくらい、そのくらい好きになれたらいいのかな?

そんなはずない。
そんなのもっと辛い。

今の状態で充分好き過ぎるのに。

別れたのに、傍にいないのに、それでも考えてしまうのは高城のことばかりで、考える度にどんどん悪化するこの体調をどうしたらいいのか分からない。

傍にいたらいい、だなんてとてもじゃないけど言えない。


どっちにしても高城のことが好きだって言うこの気持ちがある限り、何も解決しない。


だれといても
何をしても


考えるのは高城のことばかり。
そればかりで。


嬉しかったことを考える度に胸がぎゅうって締め付けられて、あの笑顔思い出す度に、ここ天国じゃないかな?っていうくらいにくらくらして。


そして他の女の子とは……なんて考えるとドロドロに溶けて仕舞いそうになるんだ。
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