授けられた力・消えた記憶

割れた窓から、灰と化した悪魔を吹き飛ばすように、冷たい風が、部屋を吹き抜ける…


『ヒヒヒヒヒヒ…』

 「!?」

周りから聞こえる、何かを企むような笑い声…

暗闇の中、怪しく光、何十もの瞳…


ルイの周りを、悪魔が囲んでいた…

何十匹もの悪魔が…


 「…こんなにいたとはね…」

周りを見回し、自分が囲まれている事を確認する。

あの一体の悪魔はおとりだったということだろう…敵の力を調べる為の…



 「バカな人間だ ヒヒヒ… 自らやってくるとは ヒヒヒ…」


ある一体の悪魔がそう言った…
血に染まったその体…

腕で口を拭いながら、絶えず笑うその悪魔…

その悪魔の後に続き、笑う何十もの悪魔…


人間が来るのを待っていたかのように…



 「バカな人間…か…」

 「?」

鼻で笑い、青い瞳で睨みつける…

何十もの闇に隠れた悪魔達を…


ルイの反応に、悪魔は不思議そうに首を傾げた。

その隙をルイは見逃さない…



    『!!』

ルイは勢い良く走り出し、悪魔へと向かっていく…



思いもしないルイの行動に、悪魔達は驚いたようだ。

少し後退りし、攻撃する事を忘れた悪魔…

バン!!


ルイは、悪魔目掛けて銃を撃った…


 「!!」


逃げ惑う悪魔…

我先にと、仲間を犠牲に逃げる者…

ルイに積極的に襲いかかる者…

全ての悪魔が、
次々に灰と化していく…


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