授けられた力・消えた記憶

ルイの声に、こちらへと顔を向けるノワール…


 「…フンッ…」

4人を見るなり、鼻で笑った。
更に濃い緑色の瞳で、4人の顔を一人一人見る。


 「君以外に、必要のない者が来ているようだ。」


そう言うと同時に、4人の体は重くなり、息をするのも苦しくなった…


 「…カリン…イワン…マイ…逃げろ…」

ルイは必死でそう言うが…

 「…んな事…うっ」

 「できないよ…」

マイは弓を構える。しかし、その弓は、震えていた。

恐さからだけではない、今にも倒れそうなのだ…


 「いいから…」

それを見て、ルイの胸は苦しくなった。
自分のせいで、仲間を傷つけてしまっていると…


そんな事もお構いなしに、ノワールは何かをしたようだ。

 「「!!」」 バタ

右手を挙げると共に、2人は崩れるように倒れていった。


 「!!イワン!マイ!」

叫ぶルイ。

 「…」

しかし反応はない…

 「眠っただけだ。」

ルイの様子を見て、ノワールは冷静にそう言い、こちらへと歩いてくる。

 「貴様!」

ルイは、近づいてくるノワールを睨む。


この世で一番

恨んだ、

憎んだ、

その男を…


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