授けられた力・消えた記憶

       バン!

 「させねぇ!」

ルイがノワールに飛びかかり、短剣を弾き飛ばしたのだった。

その行動に、ノワールは少し驚いた様子である。


 「?こいつは1度死んでいるのだぞ?お前には関係あるまい。」

 「あるさ。カリンが死んでいようと、死んでいまいと、俺には関係ねぇ。」


今のルイの瞳は、憎しみの光ではなく、誰かを守りたいという、強い光が灯っていた…


 「?バカな。カリンは私が蘇らせた。ならば、カリンをどうしようと、私の勝手だ。」

一歩も退こうとしないノワール。

ルイも同様である。


 「そんな訳ねぇ!今のカリンには命がある。人間としての、お前にはない、命がな!」


命。その言葉が、怒りを買ったようだ…
ルイを緑色の瞳で睨む…


 「!貴様…もう一度だけ言う、カリンは殺す。もし逆らうのならば、お前も一緒に殺す。」


 「…何度言っても同じだ。カリンは俺にとって、1番大切な人だ。そのカリンをお前なんかに殺させたりしねぇ!」


ルイはノワールに斬りかかる。

そうして、2人の戦いが始まった…


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