授けられた力・消えた記憶
その頃…
暗闇の中、カリンの後を追う2人。
「どこ行ったの…カリン…」
「知るかよ…」
辺りを見回し、カリンが消えたと思われる場所を探した…
「ハァ…ハァ…」
息を荒げ、腕を押さえながら苦痛に耐えるカリン。
その額には、汗が滲んでいた…
その姿は、町を流れる川の近くにあり、大きな塀にもたれかかっていた…
その近くを通るマイとイワン。
「!イワン!」
「?あぁ…」
2人はカリンに気づいたようで、カリンの元へと向かった。
近づく影に気づき、苦痛に歪む顔を上げる…
「!イワン…マイ…」
2人を見るなり、カリンはまた逃げ出そうとした。
しかし…
「もう逃げないで、カリン…」
「…」
カリンの前へマイが立ちはだかる。
「カリンが思とる以上に、ルイはカリンの事思とるで。」
「そんなの…」
イワンもマイの横に並ぶ…
逃げられないと、カリンは顔を伏せた…
それを見てマイは優しく言う。
「カリンが倒れた時、悲しい顔してる時、いつも気にしてたの、誰だと思う?」
「…」
「それはルイだよ。ルイがカリンの事、忘れた事なんかない。きっと…」
「そやで…」
「…」
悩むカリン。
様々な思いが頭の中を駆け巡る…