この手を繋いで。~実話 第一章~



朝陽。
うちはパソコン振り回したりしてへんよ。



フワフワ空も飛んでへん。



ここは家じゃないし、車の中でもない。



仕事だって、今はしてないんやで。



なぁ、うちは一体何が出来る?
何してほしい?



痛みを分かち合うことは出来ひんから
ただ横で手を握るくらいしか
思いつかんねんけど、約束してほしい。



弱音ははいていいけど、希望は捨てんといて。



もうムリとか、何もする気ないとか
言わんといて。



うちはずっと隣にいるから。



わかってるよ。今一番頑張ってるんは
朝陽やもんな。
痛みと闘ってるもんな。



それやのに『頑張って』とか言って
ごめんな。







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