+Black Blood.
mad.

12




□ □ □



―――中央収容所にて。



「・・・・元気無いね」


食事を運んでいたど派手な金髪のロイが、俯いているエイトに言った。



「・・・・・・あぁ、そうか?」

「収容された時は、これでもかって程嬉々とした顔してたのに。これまで見た事無かったよエイトにたいな奴」


くすりと笑いながら明らかに食膳だけのを持ってきただけの感情じゃないような目を向ける。


「弟気になる?」

「・・・・まぁ。」


口元を緩め、視線を上げる。


(何でこんな初々しいんだこの兄弟・・)


「今のところ死亡報告も無いし、生きてるとは思うよ」

「だとは思うけど。あの害獣が居るんだぞ?余計に不安だ」

「・・・・・・・害獣って、零の事?」

「当たり前だ」


仲悪いなぁ、と呟きロイが食事を置く。



「一般収容者は収容所で労働させられるけど、一桁ナンバーの君らはミッションで働かないといけないから。仕方ないね」

「・・・・・・・分かってる。」

「ロクも、ナナくんもちょくちょくミッション参加してるから。もう直ぐエイトもミッションすることになるし。・・・・・今回の二人ペアってのは異例だけど」



食事に手を伸ばすエイト。


「・・・・・・アイツは・・大丈夫だと思うけど・・・。」

「?意味深だね」

「何でもない。ミッション中に逃げ出してないか心配だが」

「エッ?!今なんて?!」


何でも無い、と苦笑してエイトは欠伸する。


「ま、今は相部屋の相手が居なくて暇だと思うけど、もう直ぐしたら来るから。きっと。」



慰めか何かは分からないが、頼んでも無い情報をくれた。




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