晴れ時々@先生の妹【第1巻】
「これぐらいで、いいだろ?後は自分でしろよ――」
二戸 梨杏が振り返る。
「先生、今、少しドキドキしてたでしょ!!」
嬉しそうな顔の二戸 梨杏。
顔が赤くなり少し下を俯き、眉間にしわを寄せる中村先生。
――俺に頼んだの……、もしかして、わざとか?
「アホかっーー!ったく、大人をからかうなよ」
つまらなそうな顔をしている二戸 梨杏。
「ちっ、先生に怒られた!」
「何だ、その口のききかたは……?」
中村先生がキリッとした目付きで二戸 梨杏を睨む。
――普段、学校にいる時みたいな先生にやっと戻ってきた。
優しすぎて、恐かったんだ。
いつもみたいに、私を叱っている先生がちょうどいい――。