更正せよ!生徒会

「やさが、門立ちをしてないってことは連絡ミスしかありえないな」


前髪真ん中分けの眼鏡少年が眼鏡を押し上げて透き通った声で言った。


「平良、あたしはね、ちゃーんとホワイトボードに貼ってあるプリントに連絡記入したわよ!」

「この間見た時は、そんなの書かれてなかったぞ」


眼鏡をかけた少年は目を細目ながら、座っていた椅子から離れホワイトボードに近づいて、プリントをまじまじと見ていた。


「…………もしかして、これか?」

「そーよ、これで私がちゃんと記入したってわか」

「なんて汚い字なんだ…これじゃ誰もわならないはずだ」

「ちょっ、それ、どーゆー意味よっ!!」

「そのままの意味だ」


顔が赤くなる小春。


平良 和也(たいら かずや)
生徒会会計。
真面目を絵にかいた用な超真面目少年。冷静沈着。声が透き通っていて声フェチに人気だったりする。
小春が一番苦手にしている相手だが、他のメンバーとはとても仲がいい。


「だから、連絡記入はやさに書かせるように言った意味がわかりますか?会長」

「五月蝿いわよ!だいたい、アンタ達が集まらないし八木にいちいち頼んじゃったら、私の仕事減るしアンタ達に示しがつかないじゃん!」

「示しうんねんより、ちゃんと知らせるものは知らせるってのが当たり前の行為だ。お前は伝達すらないし、気づいても字が下手くそなら意味はないだろ」


かなり興奮気味の小春に、たんたんと答える平良の光景は学校名物になりかけている程有名である。




―――――ガラッ




生徒会室のドアが勢いよく空いた。音に驚き目線をやれば、少々の汗を垂らした少年が呼吸を整えながら生徒会室に入ってきた。


< 3 / 28 >

この作品をシェア

pagetop