AKANE
 見えていない紫紺の瞳を真っ直ぐ見つめ、フェルデンははっきりと事実を告げた。
「植物を操る騎士なら、おれの部下が相打って落としたが」
 ふむ、と下顎をさすると、ライシェルは「そうか」とだけ返答した。
「そこを通りたければ、おれを倒してからだ。ライシェル・ギー」
「いいだろう・・・。だが、おれは“中途半端”は嫌いでな。勝負はどちらか一方が絶命するまでということでどうだ?」
 フェルデンはすっと剣を鞘から引き抜いた。
「ああ、それで構わない・・・!」
 ライシェル・ギーは大きな槍を構えた。彼の魔力は未だ謎のままだ。

 今、二人の大将が、二国の運命を背負って命を掛けた決闘に挑もうとしていた。
 


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