君へ願うこと
「あ、あんたがイヤじゃないんだったら」
「如月さん」
「い、言っておくけど!彼女でいてあげてもいいっていうだけで。
あたしはまだあんたのこと好きとかそういうんじゃないか、ら」
最後まで言い終わる前に
ふわりと優しく抱きしめられた。
初めて伝わる暖かさに
心臓の音が一気に速くなる。
「俺のことも抱きしめて」
「あ、あたしはだから!」
「如月さん」
う、
なにこの甘えてくるような声は!!
仕方なく
そっと腕を伸ばして市ノ瀬君の背中に腕を回した。