heart to heart2 キセキのつづき
「逃げる時はオレも一緒に行くから。でも、今日はやめとこう?」


冗談なんだか、本気なんだか。

きっと、律の精一杯のやさしい冗談なんだろうけど。


「傷、痛むか?」

「…少しだけ」

「薬使おうか?」

「ううん、それほどじゃない…」


こんなに優しいのに、どうしてあんな風に怒りをぶつけてしまったんだろう?

たぶん、それこそが“甘え”なんだ。

律なら全部受け止めてくれちゃうって分かってるから、つい。
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