華と…



「華さん、よくよぐきたなすだす。かまくらはどうだったでか?」



「とても幻想的でした。

美しいというか、哀しいというか……」


「そうだすな」

「わたしも何故か、あの景色を見ると哀しい気持ちになりますわぁ。

ところで華はん、心配ごとは解決しなはりましたか?」


「あ、ええ……

雄一さんの顔を見たら、半分くらいは」


「そうどすか。そら良かったどす。

わたしらで良かったら、いつでも相談に乗りますよって、何でも遠慮のう言うてくださいね」


雄一の両親に温かく迎えられ、わたしの気持ちはすっかり落ち着いていた。

< 78 / 202 >

この作品をシェア

pagetop