武闘派
「まさか、この時がこんなに早く来るとはな。」

お父さんは何故か迫力満点の声を出す。

「武道を止めてバスケなんかしてるガキに負けるわけないだろ。」

孝兄がやっちゃんを睨みつける。

スラッとしたやっちゃんとは対照的に、ゴツいお父さんとお兄ちゃんたち。

「絶対に勝ちますから。」

やっちゃん、どうしてそんなに自信満々なんだろう。

柔道歴だって、体格だって、勝ち目があるようには見えない。

「ま、言うだけなら誰でも出来るよな。」

今度は正兄が言う。

ちょっと、止めた方が良い?

「千穂、ダメよ。」

私の心の内を読んだのか、お母さんに止められた。

「でも…」

「大丈夫、みんなちゃんと受け身とれるから。」

えっと、そういう問題なの?
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