教えて!恋愛の女神様
「そんな事ないですよ。昨日だって……午前0時まで言われたとおり『男運が良い』って書きましたもん。一千回だけですけど。続けて行けば絶対男運良くなるでしょ。そうしたら、すごいお金持ちの男性と結婚して、家政婦を雇えるでしょ?」
「一つ良い事を教えてやる。仕事ができて人間ができている男ってのは、良い意味で自立しているんだ。そういう男と釣り合う女ってのは、やっぱり良い意味で自立しているんだ」
「へぇーそうなんだぁー」
「へぇー、そうなんですぅー!食う事から着る事まで何でもできるし、多趣味で博学。つねに自分を高めようと努力しているんだ。お主みたいに『男が稼いだ金を使って、当然のように家政婦を雇ってもらおう』なんて思っちゃいない。『自分でどうにもできないから、お願いしよう』くらいにしか思っていない」
「そ、そうかなぁ……」
「良い男は、そこに惹かれるんだよ。じゃないと、何をやってやっても感謝されない。『あたりまえ』だからな。ちょっと気に食わない事があれば暴言を吐き、実家へ帰り、親にチクリまくる。親が返り討ちするのはマシな方で、最悪自分が浮気して相手を地獄へつき落す。とてもじゃないが、一生を共にしたいとは思わん」
「ぬっ……」
「これでもまだ『寝る』か?」
「い、いえ……顔を洗って朝ごはんを作ります」
「うむ、よろしい」
私はしぶしぶ起き、洗面所へ行くと顔を洗った。ロマンスの言葉が耳に痛くて、でも言いなりになるのは納得できなくて。
 顔を洗い終えるとロマンスの分も朝食を作り食べると、食器やフライパンを洗った。洗い終えると化粧しようとテーブルの前に座った。ちなみに鏡台はない。父は祖父の時代から続く時計屋を営んでいるが、儲かっているわけではない。遠方で一人暮らしする私の生活費を出すだけでも大変そうだった。『鏡台まで買って』とは言えなかった。
 ロマンスが外へ散歩へ行くのを見送ると、いつも通り化粧品の入ったバニティーケースを開け、化粧品をテーブルの上に置いた。すると、携帯電話がメールを受信した。時計を見ればまだ午前八時過ぎ。こんな早い時間にメールをくれるのは多分、親友のマアコかユカ、アミに違いない。






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