井上真緒編
仲間「いいか。この物件は、それほど築年数は経ってない」
真緒「だったら、うちでやる必要ないんじゃない」
仲間「でも、分からないだろう。うちらの商売は、交渉次第なんだよ」
真緒「だって、リフォームはするんですよね」
仲間「当然だよ。それで稼いでるんだから」
真緒「築年数が経ってないのにですか」
仲間「そもそもが、建てるときに、失敗している物件というのがあるんだよ。そういったのは、築年数が経っているとかたっていないとかそんなに関係ないこともある。そういったものだったら、魅力のあるものにすればいいんだから。その辺をお前らは判断しろよ。分かったな」
真緒「なんか難しい仕事だな」
仲間「何いってんだよ。できの悪い社員に仕事見つけてきてやってるんだぞ。それだけでもありがたいだろう。だいたいお前やる気あるのか」
真緒「はい、ありますよ」
仲間「本当だろうな。結婚するからってそっちに神経が行きすぎてるんじゃないのか」
真緒「大丈夫です。ただ私は体調がここのところ悪いから」
仲間「何言ってるんだ。お前そんなにやりたくないのか」
真緒「いいえ、いいえ。やります」
仲間本当に、余計なことばかり言って。田中頼むな。お前のほうがしっかりしてるから、助けてやってくれ」
田中「課長は、見に行ったんですか」
仲間「ああ一応な。外からしか見てないけどな」
田中「分かりました」

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