愛と銃と。

すぐにわかった。

誰の声かだなんて。


おばさんの声。

元カノのお母さんの声。

元カノの名前は桐山咲(きりやまさき)。


だから嫌な予感がした、

たぶん咲は俺と
別れたことを言ってなかった。

俺たちは親公認の仲だったし。


「おばさん。俺、もう咲とはわか」

『咲が、携帯置いて家飛び出して…』


俺の言葉は打ち消された。

おばさんの心配そうな声聞いたら
もう咲とは別れてます。なんて
言えなかった。


で、番号に見覚えがあったのは
咲の番号だったからだって気づいた。

出なければよかったと、
何度も何度も後悔した。


「俺、探してきます」


つい、そう言ってしまった。

あげはに会いたいけど
放っとく訳にはいかなかった。


彼氏でもない俺が
何でこんなことしねぇと
いけねぇんだよって思った。