愛と銃と。
ただ、それだけ。
「ありがとな」
陽翔はあたしが今まで見た中でも
一番子供みたいに無邪気で可愛くて
だけどどこか男の子のカッコいい
太陽のような笑顔をあたしに向けた。
…どきん。
心臓が飛び跳ねた。
陽翔のことが好きじゃなくても
この笑顔にはドキッとしてしまうだろう。
…なんだか、ズルイ。
卑怯だ、こんなの…。
開いた窓から夕日が
教室を茜色に染めていく。
ぶわっと吹く夏の匂いの風が
カーテンを大きく膨らませた。
その瞬間、あたしの胸の奥が
なぜだかぽっと温かくなったような。
そんな気がした。
この気持ちは何だろう。
だけどわかるのは、ただひとつ。
恋なんかではない。
あたしはまだ恋をする気には
なれていないから。